『おっ!これ何!?』と友人。
なんでも老婆の故郷でとれるお茶が上海のお茶の元だと。
今日は直売で、安くしとくとの事。
やり過ごそうと思いましたが。中国生活も長くなり最近お茶に詳しくなってると自負する私の悪い癖(家系)が。
小さく小分けされた鉄観音茶が透明プラスチックケースに30個入って150元、
プーアールが50個で100元とのこと、そう高くない、
しかしここは中国1/3から交渉です。
道端で交渉開始です。あーだこーだやってると老婆真剣に困った顔でパッケージからお茶を取り出し香りの違いを確かめろとの事、隣の友人をちらりとみると交渉の成り行きを固唾を飲んで見つめる二重瞼。
ひと嗅ぎ、ふた嗅ぎ。『う〜ん、これはいいお茶!』
友人『おー、やっぱわかるんやね〜』
結局日本人の交渉力に負けた老婆はがっくり肩を落し、鉄観音80元、プーアールはなんと40元の合計120元で、
あんたには負けたと言わんばかりで悲しそうでした。
最後にはおつりの10元までごまかそうとするしまつ。
かわいそうで10元チップであげました。
これがプロの交渉人でしょう。
その後の観光中、友人は私に頼る頼る。
信頼に尊敬が加わると友人間でもこんなもんなんでしょうね。
その後、冷たいアイスを買いに上海ファミリーマートに。
『あれ?』
商品棚に見た事のある透明プラスチックケースが.......
ほこりかぶってましたけど。
はい!確かに中身から何まで同じもの。150いや80元だった物が、『29元』って値札ついてました……..
隣の友人腹かかえて10分ほど笑い転げてました、笑い過ぎて腹筋が痛いって。
あの老婆は工作員だと確信しました。何人もの日本人を磊落したことでしょう。
プロの仕事を見せていただきました。
あれから半年経ちますが未だに、その話題で持ち切りです。
周りは笑い転げてますが、
全身全霊で戦った者同士にしか理解し合えない世界を私はひとり遠い上海の空を思い浮かべ葉巻をくゆらせています。
『同士よ達者で暮らせよ』と。
お茶を嗅ぎ分けたければ、アークブレイン迄どうぞお越し下さい、
プロがお待ちしてます。